白であること

フォトスタジオと言えば内装、備品の類いはだいたい白色です。でなければ黒またはグレーなどの無彩色を基本とします。シックやモノトーンの趣味というのではなく、ライティングの自由度と色彩の忠実な再現を目指すには白であることが最も好ましいからです。仮に壁紙が赤いとしたらよほど工夫して撮影しなければ、赤色が被写体に被ります。色味が赤味がかるということ。また、例外として反射物を撮影することに特化したスタジオでは光の意図せぬ反射を嫌い、黒を基調とすることもあります。撮影スペースに余裕のあるフォトスタジオに限られるとは思われますが...記念写真や証明写真などでしか利用しない一般の方からすれば、真っ白な部屋というのはおそらく居心地も悪く不自然な印象を持たれるかも知れませんね。最近では病院などでもオフホワイト、ピンク、ベージュなど目に優しい配色が多いとのことらしいし。家の壁紙を見ても完全な白というのはおそらく見かけませんし、フォトスタジオとはいかに特殊な空間かということを改めて考える今日この頃であります。スタジオ内にこもって作業が続いた後に外に出ると、何と世界は色や光に満ちていることか!!外界から遮断した特殊環境下に長く過ごしていると、当たり前のことが返って感動的にさえ感じられます。フォトグラファーとして世の普遍性には敏感でなければならないのですが、マイナーな世界に生きざるを得ない性は否めません。